
サンプル) 牛肉は年末需要が大きいので『枝肉の初競り』は下がるのが通例です。ただ今回はそれを踏まえた上でも、子牛価格が下がったという実感がありました。
別に「この値段でやっていけない!」って話じゃないよ。そんな繁殖農家などいないと思う。ただ、兵庫県以外の子牛市場は去勢子牛の平均が80万円を超えている。但馬家畜市場は69万円だ。
何が言いたいかといえば「但馬牛って本当に限られた顧客の中で成り立ってる品種だ」ってこと。
コロナ禍でも子牛価格は高かった。但馬牛の肉質への評価もあるとは思う。でもやっぱり相場は需要と供給のバランスなのです。
今回の但馬家畜市場はいつもより100頭多い上場頭数でした。たった100頭です。でもそれだけで従来の需給バランスが崩れた。求める人が少ない狭い市場なんだなって。そんなことが改めて明らかになった1月市だったと僕は思ってます。
ちなみに5日後の淡路家畜市場での去勢価格は但馬市場の10万円高。同じ兵庫県内の但馬牛でもここまで価格に差があった。勿論いろんな要因があると思う。ただ、単純にさ、枝肉相場云々って話だけじゃないってことなんだよ。(実際淡路家畜市場の直前の枝肉市場は、但馬家畜市場直前の枝肉市場より相場落ちてたんだよね。)子牛市場は微妙な頭数の需給バランスで成り立っている。
但馬牛は黒毛和種の中でも群を抜いて美味しい血統です。だからこそ子牛価格も枝肉の単価も高値で推移している。でもその最終の消費されている場所って、実はめちゃくちゃ少ないのだ。出口が狭い。
美味しいから子牛市場も全国トップレベル。そんなのは勘違いだ。
『松阪牛の中でも数%しかいない特産松阪牛。そこに拘る昔ながらの数人の農家さんが雌の価格を引き上げている』。
偏った見方かもしれない。でもこれもリアル。10年後、松阪の農家さんの世代交代によって但馬牛メス子牛の暴落なんて普通にあると思ってる。
だからこそ肉を売らなきゃいけないし、伝えなきゃいけない。自分は肉屋じゃないとかそんな話じゃない。供給過少の高値に甘えていたら但馬牛は無くなってしまうかもしれない。
そんなことを感じた初競りでした。
さあ、肉売るで。
但馬家畜市場1月子牛市
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